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ホーム > 健康・福祉 > 健康・医療 > 健康 > 感染症情報 > 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)患者の発生

更新日:2023年2月17日

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重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について

2011年に初めて特定された、新しいウイルス(SFTSウイルス)に感染することによって引き起こされる病気です。主な症状は発熱と消化器症状で、重症化し、死亡することもあります。春から秋にかけてマダニの活動が盛んになるこころは注意が必要です。
主にSFTSウイルスを保有するマダニに咬まれることで感染します。予防対策として、マダニに咬まれないように、山林、草むら、藪などに入る場合は、長袖、長ズボン、足を完全に覆う靴を着用し肌の露出を少なくしましょう。もし、吸血中のマダニに気付いたら無理に引き抜かないで、できるだけ病院で処置しましょう。
なお、気になるような症状がある方は、できるだけ早く医療機関を受診し、医師の診察を受けてください。

重症熱性血小板減少症候群とは、どのような病気ですか?

2011年に初めて特定された、新しいウイルス(SFTSウイルス)に感染することによって引き起こされる病気です。
症状は、今回報告された症例ではマダニに咬まれてから6日から2週間程度の潜伏期間を経て、主に発熱と消化器症状(食欲低下、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛)が見られます。
時に、頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸器症状(咳など)、出血症状(紫斑、下血)を起こし、死亡することもあります。

世界のどこで発生していますか?

中国では、2009年以降、7つの省(遼寧省・山東省・江蘇省・安徽省・河南省・河北省・浙江省)で症例が報告されています。
また、アメリカのミズーリ州においてはSFTSウイルスに似たウイルスによる重症熱性血小板減少症候群様の症例が2例報告されています。

日本では発生していますか?

2013年1月国内で初めて診断されました。その後夏場を中心に患者が発生しています。
これまでは、西日本で発生していますが、マダニ類は全国に分布するもので、全国どこにでも発生し得る感染症と考えられます。

今回の日本で発生した患者は、海外で感染したのですか?

患者に最近の海外渡航歴はなかったため、日本国内でウイルスに感染したと考えられます。ただし、詳細な感染経路については不明です。

SFTSウイルスには、どのようにして感染するのですか?

多くの場合、ウイルスをもっているマダニに咬まれることにより感染しています。
なお、インフルエンザのように容易に人からひとへ感染して広がるものではないとされています。

マダニは、屋内で普通に見られるダニとは違うのですか?

マダニと、食品等に発生するコナダニや衣類や寝具に発生するヒョウヒダニなど、家庭内に生息するダニとでは種類が異なります。
マダニ類は、固い外皮に覆われた比較的大型(吸血前で3~4mm)のダニで、主にアジアやオセアニアに分布しますが、日本でも全国的に分布しています。

どのようなマダニがSFTSウイルスを保有しているのですか?

中国では、フタトゲチマダニやオウシマダニといったマダニ類からウイルスが見つかっています。
これらのマダニが活動的になる春から秋に、患者が発生しています。

マダニに咬まれたことにより感染する病気は他にありますか?

日本紅斑熱、ライム病など多くの感染症がマダニによって媒介されることが知られています。
また、マダニではありませんが、ダニの一種であるツツガムシによって媒介される「つつが虫病」などもあります。

予防するには、どうしたらいいですか?

マダニに咬まれないようにすることが重要です。特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては注意しましょう。これは、重症熱性血小板減少症候群だけではなく、国内で毎年多くの報告例があるつつが虫病や日本紅斑熱など、ダニが媒介する他疾患の予防のためにも有効です。

草むらや藪など、ダニが多く生息する場所に入る場合には、長袖・長ズボン・足を完全に覆う靴を着用し、肌の露出を少なくすることが大事です。
また、屋外活動後はマダニに刺されていないか確認してください。現在のところ、SFTSウイルスに対して有効なワクチンはありません。

マダニに咬まれたら、どうすればよいですか?

マダニ類の多くは、ヒトや動物に取り付くと、皮膚にしっかりと口器を突き刺し、長時間(数日~長いものでは10日間)吸血します。無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚内に残ってしまうことがあるので、吸血中のマダニに気づいた時は、できるだけ病院で処置してもらってください。また、マダニに咬まれた後に、発熱等の症状が見られた場合は、病院を受診してください。

ヒト以外の動物もマダニに咬まれて重症熱性血小板減少症候群にかかるのですか?

一般に、マダニ類は野外でヒトを含む多くの種類の動物を吸血します。中国の重症熱性血小板減少症候群の流行地域では、SFTSウイルスに感染している動物がいることが分かっています。ただし、動物が発病するかどうかは確認されていません。

SFTSウイルスは、以前から日本にいたのですか?

ウイルス自体は以前から国内に存在していたと考えられます。今後、厚生労働省は更なる調査研究を進め、実態解明に努めます。

厚生労働省が情報提供を求めている患者の要件

38度以上の発熱と消化器症状(吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、下血のいずれか)があり、血液検査所見で血小板減少(10万/m立方メートル未満)、白血球減少(4,000/m立方メートル未満)及び血清酵素(AST、ALT、LDHのいずれも)の上昇が見られ、集中治療を要する、もしくは要した、または死亡した者。ただし、他の感染症による症状、または病気の原因が明らかな場合は除く。

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