ホーム > ≪オンライン広報≫広報かのや > 連載企画 > 鹿屋街道 > 【第12路】ツツガムシ病と戦った医師
更新日:2026年3月18日
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かつて、大隅地域で「大隅熱」や「秋やみ」と呼ばれていた病があったことをご存じでしょうか。これはある医師によって1980年に「ツツガムシ病」と診断されるまで、原因不明の死に至ることもある病として恐れられていました。
ツツガムシ病とは、ダニの一種であるツツガムシの幼虫のうち、有毒な菌をもっている幼虫に吸着されることで引き起こされる病のこと。特徴的な小さな黒いかさぶたを伴う刺し口が見られ、感染すると39度以上の発熱と体幹部の発疹が発生。重篤化すると非常に危険なため、早期の処置が必要な病気です。かつては夏季の東北地方を中心とする地域で感染が多く確認されていましたが、鹿児島県では長年ツツガムシ病の報告がなく、県にはない病気だと考えられていました。
寺﨑健は、肝付町出身で県立鹿児島医科大学(現在の鹿児島大学)を卒業後、1962年に鹿屋市の西大手町で皮膚科医として開業した医師です。1979年、原因不明の熱症状であったこの病を、ツツガムシ病と考えた寺﨑は慎重に研究を続け、翌年の12月に5人の血液を東京大学医科学研究所に持ち込みました。検査の結果ツツガムシ病と確認され、これが鹿児島県での初めてのツツガムシ病の発見となりました。
発見後は県をあげて予防が進められ、当時の広報かのやにおいても予防法や対処法などが紹介されました。寺﨑は地域医療での功績が認められ、鹿児島県医師会から特別医学功労賞を贈られています。

▲ ツツガムシの生活を示した図。
原因菌は細胞の外では増殖できないため、
人から人へ感染することはない。

▲ 寺﨑健医師の写真。
2017年に86歳で亡くなりました。

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