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更新日:2026年10月21日
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本市では、本年度から新聞記事を活用した「YОМUワークシート」とAI技術を採用した「Моnоxer」という2つの教育プログラムを軸に、「心豊かな人づくり」に取り組んでいます。
9月8日、文部科学省から国際的な生徒の学力調査「PISA2025」の結果が発表されました。経済協力開発機構(ОECD)が3年ごとに実施しているこの調査では、世界的に子どもたちの読解力の低下が明らかになりました。日本は高い水準を維持しつつも得点は減少傾向にあり、スマートフォンなどのデジタル機器の普及や活字離れによる深刻な影響が懸念されています。


また、令和7年11月に県教育委員会が発表した「令和7年度全国学力・学習状況調査鹿児島県結果分析」によれば、国語力において県内の小学生は全国平均をやや上回る結果となったものの、中学生は平均を下回りました。特に「知識・技能」は低下しており、言葉の知識を活用して思考や表現に生かす力の育成が課題に挙げられています。そのため文章を素早く正確に読み解き、論理的に表現する力の育成が急務となっています。
本市ではこの課題に対し、これまで培ってきた教育を実践しながら、さらにICT機器を十分に活用した教育プログラムを開始。このプログラムでは、誰一人取り残されることなく基盤となる読む力(読解力)を底上げし、知識を含めた確かな学力が育まれることを目的としています。
本市は以前から、電子黒板の導入を全国と比較しても早期に導入するなど、教育において積極的に新しい環境を取り入れてきました。そのため、国の「GIGAスクール構想」を基盤とした全小中学生へ「一人一台のタブレット端末」を配備する際にも、新しい環境に現場がいち早く順応することができ、ICT教育の充実に取り組むことができています。デジタル端末は日々の授業で活用され、子どもたちの情報活用能力は着実に向上しています。
その一方で、設備や環境を充実させた次のステップとして、いかにして真の学力へと結び付けるか「さらなる結果」が求められています。そこで本市では本年度から、最先端テクノロジーと活字文化の融合を図るために思考力を深く耕すための新聞記事教材「よむYОМUワークシート」と、AIの力で基礎知識を確実に定着させる記憶アプリ「Моnоxer」を組み合わせた先進的な取り組みを実施しています。「思考力」と「記憶力」を車の両輪として機能させ、確かな学力の土台を築く教育の現場を紹介します。


「よむYОМUワークシート」を実践し始めてから約5か月が経ちますが、子どもたちに様々な好影響が出ていることを実感する日々です。
授業では目にしない新鮮な記事が多いため、子どもたちは初めて知る内容に楽しそうに取り組んでいます。SNSやネットを中心に「自分が興味を持つ情報」ばかりを取得しがちな世代だからこそ、学校の取り組みを通じて社会の幅広い情報に触れることは、新鮮で良い刺激になっているようです。
ワークシートを重ねるうちに、文章から必要な情報を取り出すスピードが明らかに速くなりました。テストの正答率が向上するなど、子どもたちの読解力が伸びていることも見て取れます。また、文章を最後まで集中して読み切る力が身に付いたことで、国語だけでなく算数の文章問題といった他教科の学習にも大いに活きています。
問題は10分ほどで解ける手頃なボリュームであり、朝の学習時間にも最適です。記事で読んだ内容が普段の授業と結び付き、学びの相乗効果も生まれています。同僚の教員も「短時間で効果が上がる」と高く評価しています。
家庭でニュースに触れる機会が減っている現代だからこそ、この取り組みが子どもたちの視野や知識の幅を広げる貴重なきっかけになっていると確信しています。


私は家で新聞を取っておらず、新聞を取っているおじいちゃんの家で少し読んだことがあるぐらいでした。そのため、今のように内容をしっかりと読んで考えることがありませんでした。
今は週に一回の朝の学習の時間に問題として新聞記事を読んでいますが、興味がある記事もあり、楽しみながら問題を解いています。これまで解いてきた問題では、大阪にある大型エンターテインメント施設の記事や、グミとキャンディの売り上げに関する記事がとても印象に残っています。記事に興味があるときもあればそうでもないときもありますし、問題が難しかったりすることもありますが、国語の勉強とは違った内容を読むことは新鮮で楽しいと感じています。
勉強では、「問題文の中から答えの文章を抜き出しなさい。」という問題への苦手意識がなくなり、得意になったと思います。これからもいろいろな記事をたくさん読んで、もっとたくさんのことを知りたいです。

自宅では新聞を取っておらず、祖母が読んでいる新聞を週に2回ほど読んでいます。新聞を読むといっても、社会面などはさらっと流し読みをするぐらいで、自分の関心がある同学年の人が投稿している作文等を読んでいます。
今、二週間に一度、朝の学習時間に「よむYОMUワークシート」に取り組んでいます。特に効果を実感しているのは、国語の問題で文章を読み解くスピードが上がったことです。新聞は、難しい漢字や文章が多く使われていますが、長文であっても理解しやすく書かれており長文問題に慣れてきました。また、数学の応用問題などでも問題の意図に気付きやすくなり、日々の学習や受験勉強に活きています。
新聞を通して社会の動きを知ることもできるので、これからも読む習慣を大切にしたいと思います。




本年度から市内のすべての市立小中学校34校、約9千人を対象に、記憶定着のための学習プラットフォーム「Моnоxer」を本格導入しました。
Моnоxerの最大の特徴は、AIが児童生徒一人ひとりの理解度や記憶の定着度をリアルタイムで測定する点です。個々のレベルに合わせて最適な難易度や頻度で問題が自動出題されるため、得意な子はさらに上を目指し、苦手な子も的確なヒントによって挫折せず自分のペースで学習を進められます。
これまで漢字や英単語、算数の公式などは「ドリル」で、固定されたレベルの教育としてすべての児童生徒に提供していましたが、個人の自助努力に頼りがちだった反復学習をAIが最適化することで、「わかった」から「できた」という確かな成功体験が創出されます。誰一人取り残さない「個別最適な学び」の実現が期待されています。

新施策の狙いや現場の手応え、そしてこれまでの教育行政の歩みを踏まえ鹿屋市が目指すこれからの教育ビジョンについて、中野教育長に伺いました。

真の読解力とは、単に長文を効率よく読み解けることではありません。相手の立場や気持ちを察するコミュニケーション力や、物事の本質を読み解く力も必要です。また、真の読解力を支える記憶力も同様で、単に覚えるだけでなく、その目的や使い先を理解する必要があります。
今年度導入した二つの教材は、真の読解力と記憶力の育成を目的に十分な試行期間と調査を経て導入しました。
本格導入して約半年ですが、子どもたちなど様々な方面からうれしい声をいただいております。学力だけに留まらず、子どもたちには「未来を生きる力」を育んでほしいと願っています。


予測困難で変化の激しい未来社会を生き抜くためには、地球規模で物事を考え地域で行動する「グローカルな視点」(グローバルとローカル)が不可欠です。そのためには自分と誇れる郷土について語れる力と、多様な文化や価値観を持つ人々と協働して課題を解決する力の両方が求められます。
これを踏まえ、本市では、子どもたちが「かのや風土記」に親しみ、郷土の歴史や文化を学ぶ機会を大切にするとともに、コミュニケーションツールとしての英語を身に付けるため、グローカル教育推進事業にも力を入れています。海外の子どもたちとの対話や交流は、日常生活で得られない刺激と感動を生み、忘れられない「記憶」となって、他者を深く理解する「心の読解力」を育むことにつながるのです。
鹿屋の子どもたちが、郷土に誇りを持ち、世界へと大きく羽ばたいてくれることを心から期待しています。

「地域の子どもは地域で育てる」という本市の優れた伝統気風をさらに進めるべく、公民館などを活用したボランティア学習支援の鹿屋寺子屋事業や町内会等の協力による「かのや学校応援団事業」などを行ってきました。これらの取り組みは、地域の人々が子どもたちの教育を支えるとともに、子どもたちも地域の活性化を支えることにつながります。
最新技術等の導入や、世界に向けた教育環境の整備を進めつつ、これまでの優れた教育とのベストミックスによる教育が、本市の目指していく「心豊かな人づくり」につながると考えています。
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